Pythonで自動化する前に紙を1枚。「人が判断する所」に線を引くと、設計が拍子抜けするほど小さくなる

自動化を思い立つと、すぐエディタを開きたくなる。若い頃はそれで何度も失敗した。書いている途中で隠れていた分岐に気づき、書き直し、また気づいて書き直す。最初は簡単に見えた自動化がどんどん複雑になって、完成しないまま放置される。

今は順番を逆にしている。コードの前に、紙を1枚出す。

結論:自動化の設計は、紙に「今の手作業」を書き出し、「人が判断する所」と「機械に回せる所」に線を引くことから始める。コードはその後。

頭の中の作業の流れは、思っているより入り組んでいる

「毎週、記事の候補を並べて、優先順位をつけて、下書きを作る」。一見単純な作業でも、書き出すと途中で情報を検索する工程や、前回のリストと照らし合わせる工程が隠れている。

コードから書き始めると、この隠れた分岐に途中でぶつかる。紙に書き出す一手間は、この手戻りを防ぐ一番安い投資だと今は思っている。

紙に書くときの3つのポイント

  • 矢印でつなぐ:横向きの紙の左端に開始点を置き、右へ工程を矢印でつなげる。殴り書きで十分
  • 分岐に判断の基準を書く:分岐の数が多いほど、自動化は難しくなる。難しさの目安になる
  • 頻度と所要時間を書き足す:週1回5分の作業に何時間もかけて自動化しても割に合わない。毎日発生する小さな手間の方が効果が出やすい

一番効くのは「人が判断する所」に線を引くこと

全部を自動化しようとすると無理が出る。判断が要る部分は人に残し、機械的な繰り返しだけを自動化する。この線引きをすると、驚くほどシンプルな設計に収まる。この線の精度が、自動化がうまく回るかどうかを一番左右していると感じている。

AIに実装を頼む今こそ、紙が要る

今は紙に書いた設計をClaude Codeに渡して、実装の土台を作ってもらうことが多い。ただ、設計が曖昧だと、AIはその曖昧さを勝手に埋めて進めてしまう。人なら「ここはどうしますか」と聞き返してくれる場面でも、それらしく補完される。

想定と違う挙動に後から気づいて手戻りしたことも、一度や二度ではない。振り返ると原因はいつも、こちらが渡した設計図の粗さだった。道具を疑う前に、自分が渡している情報の解像度を疑う。

書いた紙は捨てない

半年後にスクリプトを見返したとき、なぜこの順番で処理しているのかは、コードだけでは分からない。判断の理由が残っているのは紙だけだ。未来の自分への引き継ぎ資料として残している。

まとめ

  • コードの前に、今の手作業を紙に書き出す
  • 分岐・頻度・所要時間を書き足して、自動化する順番を決める
  • 「人が判断する所」と「機械に回せる所」に線を引く
  • AIに実装を頼むときほど、設計の解像度を上げる

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