FC2時代の記事を「移行しない」と決めた話——あえて残す、という選択

ブログを長く続けていると、必ずどこかで「昔の記事、どうしよう」という問題に直面する。

WordPressに移したとき、noteに軸足を移したとき。そのたびに、FC2時代の記事をどうするか考えた。

結論は「移行しない」だった。

今もFC2のアカウントは残っていて、当時の記事はそのままそこにある。積極的に更新もしないし、新しいブログに引っ越すつもりもない。

最初のきっかけは単純に「読み返すと恥ずかしい」だった。技術的に今より浅い記事、勢いだけで書いた雑感、今とは全然違う文体。正直、今のブログに並べる気にはなれなかった。

ただ、それだけが理由ではないと気づいた。

あの頃の記事は、あの頃の文脈と一体になって初めて意味を持つ。当時何に悩んでいたか、何に興味があったか、どんな技術を追いかけていたか——その空気ごと切り取られた記事を今の場所に持ってくると、記事だけが浮いてしまう感じがした。

移行するとは、過去の記事を今の自分の文脈に置き直す作業でもある。それをやる気力が湧かなかった、というのが本音だ。

エンジニアとしては「データは残す」という考えが染みついている。だから消すことはしなかった。読める状態にしておきつつ、でも積極的に育てることも引っ越すこともしない。古いソースコードをリポジトリの片隅に残しておく、あの感覚に近い。

そして気づいたのは、この「切り離し」が逆に良い効果を生んでいるということだ。

過去の記事を今の看板から切り離しておくことで、今の場所では今の自分らしい文章に集中できる。雑念がない、とでもいうのか。今ここで書いているものが、今の自分そのものだという感覚が保てる。

本業でシステム移行案件に関わることもあるが、「古いシステムをどこまで残すか」という判断はよく出てくる。全部を新しい仕組みに載せ替えることが必ずしも正解ではなくて、あえて残す・切り離すという判断が有効な場面は多い。

ブログの話が、なぜか業務判断と同じ構造になっていた。

いつかFC2の記事を読み返して、当時の試行錯誤を今の言葉でまとめ直したいという気持ちはある。でもそれは「移す」作業ではなく「書き直す」作業になるはずだ。過去のものは過去の場所に置いておいて、引き出すときは今の言葉で語り直す。この線引きだけは、これからも崩したくない。

ブログ運営をめぐる試行錯誤については、noteでも書き続けています。

FC2時代の記事をあえて移行しなかった判断|副業生計屋さん

FC2で書いていた記事を、WordPressに移すときも、noteに軸足を移すときも、結局一度も移行しなかった。今も見に行けば、当時のままそこに残っている。あえて移さなかった…

ブログ移転やコンテンツ管理についてより詳しく知りたい方には、実務チェックリストをまとめたCoconalaのコンテンツもあります。

ブログ移転で「知らずに失うもの」を最小限にする実務チェックリスト | ココナラコンテンツマーケット

Ameba→FC2→WordPressと3回のブログ移転を経験したエンジニアが、実際に失敗しながら固めてきた移転手順をチェックリストの形でま

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